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人材育成の効果を最大化するためのペタゴジーとは!?具体例も交えながらわかりやすく解説します!

ペタゴジー記事サムネ

DXが求められている現代社会において、企業の競争力を維持し、イノベーションを推進するためには、従業員一人ひとりの能力開発が欠かせません。

しかし、多くの企業で実施されている従来の教育研修は、成人学習者の特性を十分に活かしきれていないという問題が指摘されています。

この記事では、成人教育の理論である「アンドラゴジー」について、その概念をわかりやすく解説し、実際の人材育成にどのように応用できるかを具体例を交えてご紹介します。

アンドラゴジーを取り入れることで、学習者自身が主体的に学習に取り組み、実践的なスキルを身につけることができるようになります。

ぜひ最後までお読みください。

目次

アンドラゴジーとは

アンドラゴジーとはの見出し画像

アンドラゴジーの概要

アンドラゴジーとは、成人の学習理論を指し、成人が持つ独自の学習特性に基づいた教育方法です。

自己主導的な学習を重視し、学習者の経験や知識を尊重することで、より深い理解と実践的なスキルの習得を目指します。

アンドラゴジーは、成人だからこそ持っている学習特性を活かし、学習者が自らの学習目標を設定し、その達成に向けて能動的に学習活動に参加することを奨励します。

アンドラゴジーの歴史

アンドラゴジーの概念は、20世紀初頭にヨーロッパで提唱され、1970年代にアメリカの教育学者マルコム・ノウルズによって広く普及しました。

ノウルズは、成人学習者が子どもとは異なる特性を持つことを認識し、成人教育における教育方法論に革命をもたらしました。

彼の理論は、成人学習者の自律性と経験を重視することで、学習の効果を高めることができると主張しています。

ペタゴジーとは

ペタゴジーは、主に子どもを対象とした学習理論です。教師が中心となって知識を伝達する教育方法で、学習者は教師からの情報を受け取り、それを記憶することだけが求められます。

つまり、学習者自身が何を学ぶかを決めたり、どのような目的を持って学習するかを定義するのではなく、教師が方向や目的を定めて教育することがこれにあたります。

ペタゴジーは、学習者がまだ自己決定や自己主導の能力を十分に持っていないという前提の上で定義されています。

ペタゴジーとアンドラゴジーの違い

ペタゴジーとアンドラゴジーの最大の違いは、学習者の主体性の有無にあります。

ペタゴジーが教師主導で一方的な知識の伝達を行うのに対し、アンドラゴジーは学習者の自主性と経験を重視し、学習者自身が学習内容や方法を選択することを求めます。

このように、アンドラゴジーは成人だからこそできる、学習者が自分自身の学習に責任を持ち、自らのニーズに合わせて学習を進めることを提唱しているのです。

アンドラゴジーが注目される背景とリスキリング・DX

デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、企業は従業員のスキルを迅速にアップデートする必要に迫られています。

このような状況の中で、アンドラゴジーは従業員が自らのキャリア開発に主体的に取り組むことを促し、リスキリングやアップスキリングを効果的に行うための理論として注目されています。

アンドラゴジーを取り入れることで、従業員は自分自身の学習をコントロールし、必要なスキルを効率的に習得することができます。

[参考リンク-「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」の違いとは?経済産業省の定義や具体的な事例まで徹底解説!]

アンドラゴジーの5つの要素

アンドラゴジーの5つの要素の見出し画像

自己概念

1つ目の要素は自己概念です。

自己概念とは、個人が「自分はどのような存在か」という問いに対して持つ自己認識です。

一般的に、成長と共に個人は自己管理の能力を高め、自己概念が強化されるとされています。

このため、成人教育では、受動的な学習ではなく、学習者が自ら主体的に学習を追求する能動的な学習設計が求められます。

これは、自己概念を基盤として、学習者が自分自身の学習プロセスをコントロールし、積極的に知識を取り入れることを意味します。

対照的に、ペタゴジーでは、自己管理の概念があまり重視されず、教師からの指導に従う受動的な学習が中心となります。

経験

2つ目の要素は経験です。

人は年を重ねるごとに、成功や失敗を含む多様な経験を積み、それによって成長していきます。

成人教育では、この人生経験の豊かさを知識やスキルの宝庫として捉え、学習者がそれぞれの経験を活かすことで、初めから学ぶよりも効率的な学習が可能になると考えられています。

グループ学習の場では、参加者がそれぞれの成功体験やそこから得た知識を共有することで、相互理解を深め、学習効果を高められるとされています。

これに対して、ペタゴジーは未熟な経験に基づく学習が中心であり、経験を積極的に学習に結びつけることは少ないとされています。

このように、成人教育における「経験」の活用は、学習者の成長に不可欠な要素として位置づけられています。

レディネス

3つ目の要素はレディネスです。

レディネスは、学習への心理的準備が整っている状態を指す心理学の用語です。

これは、学習者が新しい情報やスキルを吸収するために必要な心身の準備や適切な環境が備わっていることを意味します。

成人教育では、学習者の職業や役職、職位に注目し、それぞれの立場に即した学習ニーズを理解することが重要視されます。

これにより、個々の学習者が直面している実際の課題に対して、より効果的な学習計画を立てることができます。

一方で、ペタゴジーは主に年齢に基づいた学習カリキュラムを採用しており、個人の具体的な状況よりも一般的な学習進度が優先される傾向があります。

成人教育におけるレディネスの概念は、学習者一人ひとりの準備状態を尊重し、個別化されたアプローチを提供するために不可欠です。

方向づけ

4つ目の要素は方向付けです。

方向付けは、学習活動の目的意識を高めるための重要な概念です。

成人教育においては、学習者が学んだ知識をどのように実生活や職場で応用するか、その目的を明確にすることが極めて重要です。

学習者は、自らのキャリアや個人的な価値を向上させるために、具体的な目標を設定し、それに基づいて必要な学習を進めます。

この逆算的アプローチは、学習者が直面する課題の解決や自己実現へと導くために不可欠です。

対照的に、ペタゴジーでは、学習の目的がテストでの成績向上や教材の理解に限定されることが多く、個々の学習者の具体的な目標や応用にはあまり焦点が当てられません。

方向付けは、成人教育における学習の意義を深め、学習者のモチベーションと成果を最大化するための重要な要素となります。

動機づけ

5つ目の要素は動機付けです。 成人教育では、学習者の内発的動機が重要視されます。

これは、個人の趣味や関心など内面から生じる動機です。

対照的に、外発的動機は報酬や罰則など外部からの刺激によるものです。

効果的な教育のためには、内発的動機に基づく学習を促すことが望ましいとされています。

一方で、子供向け教育のペタゴジーでは、褒められたい、叱られたくないといった外発的動機が学習の主な原動力と考えられています。

アンドラゴジーと市民開発者の育成

アンドラゴジーと市民開発者の育成の見出し画像

自己概念:DX戦略や人材像を策定して自ら選び・行動するDXにする

自己概念の要素では、DX戦略や人材像を策定し、それらを従業員が自ら選んで行動することを求めると良いでしょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)では、従業員が自らの役割を理解し、主体的に行動することが求められます。

アンドラゴジーの自己概念をもとに、策定されたDX戦略や人材像を理解し、自ら選択することを推進します。

例えば、市民開発者であれば、企画者と開発者の人材像を定義し、従業員が企画をする側がいいのか、開発する側がいいのか、などを自ら選択することなどができます。

[参考リンク-市民開発とは!?内製化を目指すための具体的な進め方やメリット・デメリットを徹底解説!]

経験:成功体験の共有やストーリー化

経験の要素では、DXや市民開発における成功体験の共有やストーリー化を行うと良いでしょう。

過去の成功体験は、学習のモチベーションを高める重要な要素です。

アンドラゴジーの経験をもとに、生まれた成功事例や成功体験といった経験を共有し、ストーリー化することで、DXにおける変革の成功へと導きます。

この成功体験は社内にとって貴重な一次情報であるため、共有をする際は成功体験の内容だけでなく、もともとあった課題や、課題に対してとったアプローチ、成功の中でもつまづいたポイントなどをストーリー化し、他の従業員に対して共感を得ることができるような内容にするとより良いです。

レディネス:DXを腹落ちさせ、自分ごと化させる

レディネスの要素では、DXを腹落ちさせ、自分ごと化することを求めます。

市民開発者に対して、DXや市民開発を自分の問題として捉え、変革に対する準備を整えることが重要です。

アンドラゴジーのレディネスをもとに、従業員がDXを自分ごと化し、変革へのレディネスを高めることを促進しましょう。

これには、DX戦略である市民開発を会社側がしっかりと定義し、「なぜ市民開発や市民開発者が必要か」をわかりやすく伝える必要があります。

特に、トップマネジメントからの発信として行うのが良いでしょう。

[参考リンク-「腹落ち感」を形成するセンスメイキング理論とは!?組織でDXを推進していくための文化の醸成に活用しよう!]

方向づけ:DXでの目的を明確化し、共有・浸透させる

方向づけの要素では、DXや市民開発の目的を明確化し、共有・浸透させることが重要です。

市民開発者に対してDXや市民開発における明確な目的を役割を持たせることで、取り組みが具体的になり、学ぶべきスキルを活かすためのプロジェクトが想定できるようになります。

アンドラゴジーの方向づけをもとに、目的を明確化し、共有と浸透を行いましょう。

これには、市民開発において従業員に求める具体的な行動を定義することが重要です。

例えば、一般社員には、作成されたアプリケーションの利用と、その改善要望の集積を求め、保守運用者には改善要望の取捨選択や改修を求める、といったように、それぞれの人材像に求めるべき行動を定義して、自身が求めるキャリアや方向に即した行動が取れるように浸透させましょう。

[参考リンク-ラーニングエクスペリエンスデザインとは!?研修効果を最大化するための理論をDXの人材育成への活用も併せて解説!]

動機づけ:オープンバッジ制度や評価制度の見直しによる内的動機づけの強化

動機づけの要素では、オープンバッジ制度や評価制度の見直しによって、内的動機付けを強化します。

市民開発に向けて新しい評価制度やオープンバッジ制度を導入することにより、従業員の内的動機づけを強化し、DXへの積極的な参加を促します。

アンドラゴジーの動機づけをもとに、このような制度を通じて動機づけを促進しましょう。

例えば、求めるべき人材像に対して、必要なスキルや要件を定め、それらの要件を満たしたものに対してバッジを授与するような市民開発オープンバッジ制度などを導入することが良いでしょう。

まとめ

この記事ではアンドラゴジーの概要から、市民開発者の育成への適用方法まで解説しました。

アンドラゴジーは、成人学習者の特性を活かした教育方法であり、DX時代の人材育成において重要な役割を果たし、自己主導的かつ実践的な学習を促進することで、組織の成長と個人の発展を同時に促進することができます。

この理論を理解し、活用することで、従業員一人ひとりが自分自身のキャリアを豊かにし、企業全体の競争力を高めることができるので、ぜひ参考にしてください。

あなたのDX推進に幸あれ!

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