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経験学習とは!?経験学習モデルや具体的な研修内容、DX人材育成への活用について解説!

経験学習記事サムネ

研修や教育において、経験学習という言葉を聞いたことはありませんか?経験学習とは、自らの経験を通じて学ぶことを意味します。

しかし、単に経験するだけでは学びにはなりません。経験学習には、一定のプロセスが必要です。

この記事では、経験学習の概要や背景、モデル、研修内容、DX人材育成への活用などについて解説します。

経験学習の方法や活用の仕方を理解することで、効率的に人材育成ができるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

経験学習とは

経験学習とはの見出し画像

この章では、まず経験学習についての概要や注目される背景について解説します。

経験学習の概要

経験学習とは、自らの経験を通じて学ぶことを意味します。

経験学習には、実際に行動することだけでなく、その行動に対して考えたり感じたりすることも含まれます。経験学習は、学習者の主体性や能動性を重視する学習法とも言えます

経験学習には、以下のような特徴があります。

学びを意味づけすることが重要

経験学習は、学習者が自分の経験に対して意味づけをすることを重視しています。

そのため、学習者は自分の考えや感情をアウトプットしたり、他者と共有したりすることが大切です。

また、学習者は自分の経験を客観的に分析したり、新しい知識や理論と結びつけたりすることで、学習の定着がより進むと考えられています。

経験から学び、そして活かす

経験学習は、学習者が自分の経験をもとに新しい行動を試みることを促します。

そのため、学習者は自分の学びを実践に活かし、問題解決や価値の創造を行うことで更なる経験を得て、また次の実践に活かすというステップを繰り返しながらステップアップしていくのです。

経験学習が注目される背景

経験学習が注目される背景には、DX人材育成のニーズがあげられます。

DX人材とは、デジタル技術を活用して価値を創出したり、業務を改善することができる人材です。

このような人材を育成する際には、単なるインプット的な研修や学習だけでは難しく、実践や経験を積ませることが重要です。

実践や経験のなかで学習をする際に、効果を高める考え方として、経験学習という概念があり、現在注目をあつめているのです。

[参考リンク-IPAの提唱するデジタルスキル標準とは!?概要からITパスポートとの違いまで徹底解説します!]

70:20:10の理論との関連

経験学習というと、70:20:10の理論を思い浮かべる方も多いかもしれません。

70:20:10の理論とは、人間の学びの源泉は、70%が仕事上の経験、20%が人間関係、10%が教育や研修であるというものです。

この理論は、経験学習の重要性を示すものとして広く知られています。

しかし、70:20:10の理論は、経験学習の方法論ではありません。

経験学習は、仕事上の経験だけでなく、人間関係や教育や研修など、さまざまな場面で行うことができます。

また、経験学習は、単に経験するだけではなく、その経験に対して考えたり感じたりすることも必要です。経験学習には、一定のプロセスが必要です。

そのプロセスについては、次の章で解説していきます。

[ロミンガーの法則とは!?人材育成で知っておくべき70:20:10の法則をDX人材育成への活かし方まで徹底解説!]

経験学習モデルのプロセス

経験学習モデルのプロセスの見出し構成

経験学習モデルとは、経験から学ぶためのプロセスを示したものです。

経験学習モデルには、さまざまな種類がありますが、ここでは、心理学者のデビッド・コルブが提唱した経験学習サイクルを紹介します。

コルブの経験学習サイクルは、以下の4つのステップからなります。

  • 具体的経験
  • 内省
  • 概念化
  • 実践・適応

具体的経験

具体的経験とは、文字通り、実際に何かを行ったり、体験したりすることであり、具体的経験は、経験学習の原点となります。

具体的経験のイメージ

具体的経験には、以下のようなものがあります。

  • 仕事やプロジェクトでの実践
  • シミュレーションやゲームなどの体験型学習
  • ロールプレイや演習などの役割型学習
  • 見学やインタビューなどの観察型学習

DX人材育成においては、実際のプロジェクトを推進したり、ワークショップなどで企画をつくったり、デジタルツインをVRで体験したりすることがあげられます。

具体的経験を提供する際の注意点

具体的経験をする際には、以下のようなことに注意しましょう。

  • 学習目的や目標を明確にすること
  • 学習者の事前知識や興味、動機、ニーズに合わせて経験内容や方法を選択すること
  • 学習者が自分の経験に対して評価したり内省することを前提として伝えること

特に学習目的や目標を明確にすることは、具体的経験をする学習者にとっての動機づけにもなるため、非常に重要です。

内省

内省とは、自分の経験に対して考えたり感じたりすることで、内省は、経験から学びを得るきっかけとなります。

内省のイメージ

内省には、以下のようなものがあります。

  • 自分の経験に対する感想やアウトプットをすること
  • 自分の経験に対する評価や反省を行うこと
  • 自分の経験に対する疑問や課題を見つけること

DX人材育成においては、ワークショップやプロジェクト参加後に、自分自身のうごきはどうだったか、また、自分としての評価はどうだったか、などを振り返ることが必要です。

内省における注意点

内省をする際には、以下のようなことに注意しましょう。

  • 学習者が自分の経験に対して正直に向き合うこと
  • 学習者が自分の経験に対して客観的に分析すること
  • 学習者が自分の経験に対して振り返りやすい環境を作ること

特に内省をすることになれていない学習者が多い場合は、アンケートやフォーマットを作って、内省をする仕組みや環境をつくってあげることで、内省をしやすくすることができます。

概念化

概念化とは、自分の経験に対して一般的な原理や理論を導き出すことです。最近ではメタ思考とも言われます。

概念化を行うことで、個別具体の経験で得た学びを、他の近しい状況や状態の時に活用・実践することができるようになります。

概念化のイメージ

概念化には、以下のようなものがあります。

  • 自分の経験に対する仮説や推論を立てること
  • 自分の経験に対する知識や情報を収集すること
  • 自分の経験に対するモデルやフレームワークを作成すること

DX人材育成で言えば、一般的に使われているフレームワークを、どのようなことを考えたり、解決する時に使えばいいのかを理解することも概念化にあたります。

概念化における注意点

概念化をする際には、以下のようなことに注意しましょう。

  • 学習者が自分の経験に対して論理的に考えること
  • 学習者が自分の経験に対して多角的に調べること
  • 学習者が自分の経験に対して簡潔に整理すること

特にできるだけ簡潔に整理することが重要です。経験を上手く概念化できないときは、経験を個別具体の経験として捉えすぎていて、他の状況に応用ができていないときです。

実践・適応

実践・適応とは、自分の経験に対して学んだことを新しい状況に適用することです。

今までの経験と学びを新たな状況に適用し、学びの原点となる新たな具体的経験を積んでいきます。

実践・適応のイメージ

実践・適応には、以下のようなものがあります。

  • 自分の経験に対して学んだことを実際に行動に移すこと
  • 自分の経験に対して学んだことを他の人に伝えること
  • 自分の経験に対して学んだことを改善や創造に活かすこと

DX人材育成で言えば、ワークショップなどで学んだことを実際のプロジェクトで活かし、周りのメンバーを牽引し、推進したりすることです。

実践。適応における注意点

実践・適応をする際には、以下のようなことに注意しましょう。

  • 学習者が自分の経験に対して学んだことを具体的に計画すること
  • 学習者が自分の経験に対して学んだことを効果的に実施すること

特に具体的に計画することが重要です。その時に取り組むことが、これまでの経験から得た概念化した知識・知見の何を活かせるのか、そしてそれをどう活かすのかを事前に仮説を立て、シュミレーションすることで、より学びが深まります。

経験学習とDX人材育成

経験学習とDX人材育成の見出し構成

この章では、経験学習がDX人材育成に必要な理由や、重要なポイントについて解説します。

DX人材育成に経験学習が必要な理由

DXには、高度なITスキルや知識だけでなく、変化に対応できるマインドセットや行動力も求められます。つまりDX人材とは、ITスキルや知識を有しているだけでなく、実際にDXを推進するための人材なのです。

DX人材育成に、経験学習が有効なのは、経験学習によって、DX人材は以下のようなことができるようになるからです。

  • 自分の仕事やプロジェクトにおける課題や問題を自ら発見し、解決すること
  • 自分の仕事やプロジェクトにおける成果や効果を自ら評価し、改善すること
  • 自分の仕事やプロジェクトにおける学びや知見を自ら整理し、共有すること
  • 自分の仕事やプロジェクトにおける新しいアイデアや提案を自ら考え、実現すること

これらはDXを推進する人材に必要な要素であり、それを培うことができるのが経験学習です。

経験させることの設計が重要

DX人材育成において、経験させることは重要ですが、それだけでは不十分です。

経験させることは、経験学習のプロセスの一部に過ぎません。経験させることを効果的にするためには、経験させることの設計が重要です。

経験の設計に必要な要素

経験を設計するには、以下のような要素を抑える必要があります。

  • 経験の目的や目標を明確にすること
  • 経験の内容や方法を適切に選択すること
  • 経験の前後に必要な準備やフォローを行うこと
  • 経験の中で必要なサポートやフィードバックを提供すること

経験の設計における注意点

経験させることの設計を行う際には、以下のようなことに注意しましょう。

  • 経験の目的や目標は、学習者のニーズやレベルに合わせて設定すること
  • 経験の内容や方法は、学習者の興味や動機に応じて選択すること
  • 経験の前後には、学習者の期待や不安を払拭し、学びの意欲を高めること
  • 経験の中では、学習者の自主性や主体性を尊重し、学びの深さや広がりを促すこと

このような経験全体を設計・デザインする考え方として、ラーニングエクスペリエンスデザインという考え方があります。

詳細は下記の記事にて紹介してますので、こちらもチェックしてみてください。

[ラーニングエクスペリエンスデザインとは!?研修効果を最大化するための理論をDXの人材育成への活用も併せて解説!]

経験学習を行う際の抑えるべき要諦

経験学習を行う際の抑えるべき要諦の見出し画像

この章では、経験学習をおこうなう際に抑えるべきポイントを4つに分けて解説します。

経験・学習をすることを腹落ちさせる

経験学習を行う際には、学習者が自分の経験や学習に対して意味や価値を感じることが重要であり、学習者が腹落ちしている状態だと、学習に対してのモチベーションが高まり、経験・学習の効果も高まります。

学習者が自分の経験や学習に対して腹落ちさせるためには、以下のようなことができます。

  • 学習者のニーズや課題に応じて経験や学習の目的や目標を設定し、共有する
  • 学習者の興味や関心に応じて経験や学習の内容や方法を選択させる

[参考リンク-「腹落ち感」を形成するセンスメイキング理論とは!?組織でDXを推進していくための文化の醸成に活用しよう!]

主導させる・考えさせる

経験学習を行う際には、学習者が自分の経験や学習に対して主体的に関わることが重要です。

学習者が自分の経験や学習に対して主体性を持つことで、経験による学びの深さや広がりが大きくなります。

学習者が自分の経験や学習に対して主導させる・考えさせるためには、以下のようなことができます。

  • 学習者に自分の経験や学習に対する計画や目標を立てさせること
  • 学習者に自分の経験や学習に対する仮説や推論を立てさせること
  • 学習者に自分の経験や学習に対する分析や反省を行わせること

内省を促す

経験学習を行う際には、学習者が自分の経験や学習に対して考えたり感じたりすることが重要であり、それが経験学習において必要な概念化につながります。

この概念化をしっかりと行なってもらうために、内省を促せる仕組みを作ることが必要です。

学習者が自分の経験や学習に対して内省を促すためには、以下のようなことができます。

  • 学習者に自分の経験や学習に対する感想や感情を表現させるフィードバックの場を作る
  • 学習者に自分の経験や学習に対する評価や反省を行わせるための報告書を作る
  • 学習者に自分の経験や学習に対する疑問や課題を見つけさせる1on1を開催する

内省をする際に活用できる振り返りのためのフレームワークも活用すると効果的です。

下記の記事にて振り返りのフレームワークについて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

[参考リンク-人材育成や研修に取り入れるべき”振り返り”のフレームワークとは!?]

心理的安全を確保する

心理的安全とは、自分の意見や感情を自由に表現できる環境のことです。

心理的安全を確保することは、経験学習において非常に重要です。心理的安全が確保されると、学習者は以下のようなことができるようになります。

  • 自分の経験や学習に対する正直なフィードバックを受け取ること
  • 自分の経験や学習に対する失敗や誤りを恐れずに挑戦すること
  • 自分の経験や学習に対する疑問や不安を気兼ねなく相談すること

心理的安全についての詳しいことや、心理的安全を確保する方法については、下記の記事で解説していますので、参考にしてみてください。

[組織に求められる心理的安全性とは!?DX推進での考え方や確保の方法に言及しながらわかりやすく解説します!]

まとめ

経験学習とは、自らの経験を通じて学ぶことを意味し、経験学習には、具体的経験、内省、概念化、実践・適応の4つのステップが必要でした。

経験学習は、社会や組織の変化に対応できる人材を育成するために有効で、特に、DX人材育成には、経験学習が欠かせないものです。

ぜひ、経験学習を活用して、DX人材育成の効果を高め、DXの推進を成功に導いてください!

あなたのDX推進に幸あれ!

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